瀧口たまみ/文 あずみ虫/絵 福音館書店 本体1200円
5月に刊行された、あずみ虫さんの最新刊です。
黒い子猫をもらってきた主人公の女の子。「くろ」と名付けられたこねこと一緒に暮らしていくうちに少しずつ “ねこの気持ち” がわかるようになります。
猫のあいさつ、猫が楽しんでいるかどうかの様子、においつけ・・・猫も大好きな人に自分の気持ちを伝えようと工夫していることも。
猫を飼っている人だったら、「そうそう、そうだよ」ってひとつひとつ頷くことでしょう。これから飼ってみたい人も「そうなんだ!」ってますます飼いたくなることでしょう。飼ったことのない人も「猫ってかわいいな」って思うことでしょう。猫も大切な家族なのですね。
あずみ虫さんが描く愛嬌のある猫の仕草や表情を見ていると、思わずにっこりしてしまいます。
奥付に「猫を飼ってみたいと考えている方へ」というメッセージが掲載されています。ぜひ、お読みください。
*あずみ虫さんの絵は、アルミ板をハサミで切ってから絵の具を塗る技法で作られているのですが、その絵をベースの紙に貼った時にできる影が、絵に奥行きや深みを出していて素敵です。印刷された絵本でもわかりますが、原画を見るとより鮮明です。
原画を見た方は、「このような絵本は初めて見ました。」と驚かれます。ハサミで切ったざっくりした形も何ともいえない味がありますし、色も明るくて元気がでます。猫のひげや瞳など絵本だとグレイに見えますが、実際は色を削って現れるアルミ板のシルバーが光っていて、とってもきれいです。原画ならではの発見です。
*皆さん、ぜひあずみ虫さんの原画を見にいらしてくださいね。お待ちしています!