1月18日(土)は朝から冷たい雨で心配しましたが、キャンセルもでることなくなかがわちひろさんとさとうゆうすけさんのトークイベントにたくさんの方が集まってくださいました。
東京では、昨年3月のウレシカさんでの出版記念原画展以来ですので、1年近くさとうゆうすけさんの原画展を待っていらした方も多かったのではないでしょうか? 会場は皆さんの熱気に包まれました。
なかがわさんからは、この絵本を作るためにジェイコブズなど7つの再話にあたり、心のひだをとらえた語り口のイギリス人女性作家フローラ・アニー・スティール(1847年生まれ)の再話をもとにしたこと、ノロウェイ がノルウェーの古語といわれることがわかり、北欧との歴史が背景にあったのではという考察が絵にもヒントや説得力を与えたことなど、興味深いお話を聞かせていただきました。
さとうさんにも、画像で制作過程の絵を見せていただきながら、絵本になるまでの試行錯誤の連続をお話していただきました。
口で語られ、耳で聞かれてきた昔話、聞いた人は好きなように想像することができます。それを絵本にするということは、表情や背景を決めていかなくてはいけないという難しさがあります。
北欧との歴史が背景にあったのではという考察から、王子や娘の髪の毛や瞳の色などの人物設定や、ガラスの丘も北海やフィヨルドのように思えてくるなどより具体的になっていったようです。王子の金髪、ブルーアイにも納得!
絵本にはならなかったたくさんのラフスケッチやダミー本、会場の皆さんからはため息が漏れました。およそ3年の歳月をかけて描かれたこと、その試行錯誤の繰り返しを拝見すると、まさに心血を注がれた渾身のデビュー作であることがよくわかりました。
そんな中でも、動物が好きなさとうさん、絵本の中にも猫、うさぎなど描き込んでいるそうですよ。探してみてくださいね。
この日は、デザイナーの中嶋香織さんもいらしてくださり、装丁についてもお話を聞くことができました。
こうした作家、画家、編集者、デザイナーたちの深い思いが込められた作品によって、私たちは遠い異国の遠い時代を想像する喜びを得ることができたのです。
絵本にはならなかった黒牛から王子にかわる変身場面や最初のダミー本など、さとうさんからお借りしています。ぜひ、手にとってご覧くださいね。
トークの後は、サイン会。今回はなかがわさんとのダブルサイン、良い記念になりましたね。
ティール・グリーンのサイン帳にもしっかり黒牛を描いていただきました。ありがとうございます!
後日、長年語りをなさっていらっしゃる方から「さとうさんの黒牛は自分が思い描いていた黒牛のイメージと重なっていました。」という言葉をいただきました。ちなみに、絵本の黒牛はハイランド・キャトルという種類の牛をモデルにしたそうです。
なかがわちひろさん、さとうゆうすけさん、中嶋香織さん、BL出版さん、ありがとうございました。
そして参加くださった皆さん、ありがとうございました。
原画展は2月2日(日)までです。お見逃しなく!
お待ちしています🦆