ぼくはカメレオン

たしろ ちさと/さく グランまま社 本体1500円

2003年に、マイケル・ノイゲバウアー編集による『Carlo Chamäleon』が7カ国語にて世界同時発売となって注目を集めたたしろ ちさとさんのデビュー作です。

カメレオンのカルロは、からだの色がいつもまわりと同じ色になってしまうカメレオンなんてつまらないと思っていました。ある日、かばからきれいな色になれるカメレオンが羨ましいと言われたカルロは驚きます。そこで、ももいろのくだものの汁でかばに色を塗ってあげたところ、かばは大喜び。カルロはすばらしいことを思いつきました。葉っぱや木の実や花びらを集めて絵の具を作り、ジャングル中の動物たちのからだに色を塗ってあげたのです。思い思いの色になった動物たちは喜び、カルロも人気者になります。ところが、そのうちジャングル中が大騒ぎになり・・・

 カルロに色を塗ってもらい、色とりどりになった動物たちが月夜に行進するページは圧巻です。絵だけの見開きのページですが、動物たちの喜びの声が聞こえてくるようです。

シンプルでデザイン的な表紙を開くと、なかにはジャングルに住む動物たちのおはなしが生き生きと色鮮やかに展開します。

動物にはちゃんとそれぞれ自分の色があるのですね。かばにはかばの、ライオンにはライオンの・・・そしてカメレオンにはカメレオンの。そんなことにも気付かせてくれます。

たしろちさとさんが描く動物が好きな方には、こころゆくまで堪能できる美しい絵本です。

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