ローラ・エイミー・シュリッツ/作 日当陽子/訳 さとうゆうすけ /絵 学研 本体1400円
表紙の深いブルー、チューリップの上を飛ぶ小さな妖精の姿に心惹かれてページをめくると…
ある春の夜、夜の妖精のフローリーがそよ風に乗って飛んでいると、小さなコウモリに美しい羽を噛み切られ、巨人(ニンゲン)の庭に落ちてしまいます。昼の世界の美しさを目にしたフローリーは昼の妖精になる決意をします。でも、夜の妖精が昼の妖精になることはたやすいことではありません。スギの木を住みかとし、サンザシのトゲを短剣にし、リスのスカッグルとの出会い、フローリーの羽を噛み切ったコウモリとの再会、クモの巣にかかったハチドリを助けたり、フローリーは自分の身を守りながら、居場所を探します。
弱くて、強い、ちょっと意地悪で、やさしく、まっすぐな心を持った妖精フローリーの成長物語です。
『ノロウェイ の黒牛』の画家 さとうゆうすけさんの繊細で美しい挿絵が妖精フローリーの物語の世界を彩ります。