4月1日(日)たしろ ちさとさんの茶話会&サイン会

4月1日(土)の雨上がりの午後、たしろ ちさとさんの茶話会&サイン会がありました。

この日も、最初にたしろ ちさとさんが『どんな いちにち』(廣済堂あかつき)を読んでくださいました。皆さん、たしろさんの穏やかな優しい声にうっとりと聞き入りました。

たしろ ちさとさんと編集者の細江幸世さんから、『どんな いちにち』ができあがるまでのお話を伺いました。

この絵本は、廣済堂あかつきの「すこやかな心をはぐくむ絵本シリーズ(全12巻)」の第10巻としてでたものですが、全巻とも文章はくすのき しげのりさんで、12人の画家さんがそれぞれに絵を描いています。この作品は、くすのきさんの子どものための詩集のなかの一つの詩が元になっているとのこと、たしろさんにとっても詩に絵をつけるという新しい試みだったそうです。

「おはよう」が広がっていく町の俯瞰や町の様子の絵がメインのテーマとなるこの絵本、たしろさんの中では、自分の子どもの頃の体験を重ねることによってこの詩の世界が広がったそうです。男の子がおかあさんと幼稚園に通う朝の風景のラフスケッチをご覧になって、くすのきさんが最後のページに「せんせい、おはようございまーす!」という言葉を付け加えてくださいました。

他にも,ラフスケッチと原画との違いについての解説や画材や絵の描き方についてのお話も。

朝のすがすがしさや光の感じをだすために、印刷にも特別なインクを使ったそうです。通常のインクと特別なインクでテスト刷りしたものを比べて見せてくださいました。

「どんな子どもでしたか?」という質問に、「いつも夢を見ているような子どもでした」と答えるたしろさん。いろいろなおはなしの世界を想像したり、町のあちこちに名前を付け、想像の世界で冒険していたそうです。また、外遊びや、虫を捕まえるのも大好きでした。そんな子どもの頃に捕まえたシロテンハナムグリの幼虫のことを描いた絵本が『じめんのしたの小さなむし』(福音館書店)です。

絵を描くことが趣味だったご両親の元で、おもちゃがわりに絵の具や絵筆をもって絵を描いていた子ども時代、お父さまと一緒によくスケッチに出かけたり、家族で紙芝居や旅行記を作ったりしていたというお話を伺うと、子どもの頃のたくさんの思い出が、たしろさんの作品の源になっていることがよくわかります。

絵本も、ご両親やおばあさまからいっぱい読んでもらったそうです。とくにお気に入りは『かばくん』(岸田衿子/さく 中谷千代子/え 福音館書店)でした。

小さい頃から想像することを楽しんでいらしたたしろさんだからこそ、発想力が鍛えられこのような作品を生み出すことができたのですね。

とくに子育て中のお父さま、お母さまには、心に響くお話だったことと思います。

たしろ ちさとさん、細江 幸世さんのお話を伺い、『どんな いちにち』の絵本をより深く楽しむことができました。

皆さんからの質問にも、ひとつひとつ丁寧に答えてくださるたしろさん。そのお人柄にも皆さん感激です。

参加してくれた女の子たちと記念撮影。花束とともに「ありがとうございました!」

茶話会のあとは、サイン会。

皆さん、順番を待っている間もたしろさんの描くサインの絵に注目!

新3年生のNちゃん、大切な一冊になりましたね。

この日のお菓子は、「桜のマドレーヌ」。マドレーヌの上に塩漬けの桜が顔を見せています。ほのかに桜の香りがして、お花見気分を味わいました。紅茶はダージリン。

たしろ ちさとさん(右)と菓子製作者の小原 美穂さん(左)。小原さんは「Sweets Atelier 5399」のお菓子デザイナーです。ふだんも、美味しい焼き菓子をティール・グリーンに届けていただいています。

ブルーのベレー帽もよくお似合いのたしろ ちさとさん。子どもの頃から好きなことを続けるということ、とくにそれが仕事になるとたいへんなことも多いと思います。でも、「楽しいから・・・」という素敵な笑顔が心に残りました。

貴重なお話をしてくださった たしろちさとさん、編集者の細江 幸世さん、廣済堂あかつきの須田邦英さん、ありがとうございました。

茶話会やサイン会に参加してくださった皆さん、たしろさんを囲んで皆さんと素敵なひとときを過ごせましたことに感謝いたします。

たしろ ちさと「どんな いちにち」絵本原画展は、4月9日(日)までです。お待ちしています。

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