なきむしこぞう

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今村葦子/さく 酒井駒子/え 理論社 本体1500円

静かな夏の夕暮れ時、ぬいぐるみのぞうときりんとらいおんは家出をしました。もといた動物園の売店に帰ろうとしたのです。でも、庭でこの家の屋根裏に住んでいるねずみから、持ち主の男の子が大泣きをしていると聞き・・・ぞうもきりんもらいおんも、あの子と過ごした日々を思い出します。

「たしかに、あのこは、うれしいときにも、おこっているときにも、おれのはなをかんだ。だけど、それが、いつだって、そっとなんだよ。まねっこみたいに。」「あのこは、あたしのくびを、つかんで、ハンマーみたいに、ふりまわしたけど、そのあたしのくびに、いつだって、きれいなリボンを、ネクタイみたいに、むすんでくれた」

「みんな、かえってきてー!」というあの子の声が聞こえたとき、ぬいぐるみたちは・・・

読み終わった時にぽっと心にあかりが灯るような今村葦子さんのおはなしと、その世界を豊かにふくらませてくれる酒井駒子さんの美しい絵。ぬいぐるみたちを抱きしめる男の子の小さな背中や足の裏が、何とも愛おしいのです。

最後のページのねずみの後姿も、このお話のおしまいにぴったり、余韻が残ります。

今村葦子さんと酒井駒子さん、お二人による宝物のような絵童話です。

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今村葦子さん、酒井駒子さんからいただいた色紙です。ありがとうございます。

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 お二人のサイン本、あとわずかとなりました。

10月22日(土)の今村葦子さんのギャラリートークでは、『なきむしこぞう』への想いや、酒井駒子さんの絵についてもおはなしを伺います。また、本をとおした子どもとの関わり方などについてもお聞きしたいと思います。まだ、少しお席があります。作家さんから直接おはなしを伺える貴重な機会です。ぜひ、ご参加ください。

  10月22日(土)14:00〜15:30/トーク  参加費:500円

           15:45〜/サイン会

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