こそあどの森の物語 ふしぎな木の実の料理法

岡田淳/作 理論社 本体1700円

「この森でもなければ その森でもない あの森でもなければ どの森でもない こそあどの森 こそあどの森」

という言葉とともに1994年『ふしぎな木の実の料理法』から「こそあどの森の物語」はスタートしました。

「こそあどの森」の主人公はスキッパー。恥ずかしがりやで無口、本を読んだり、化石を眺めたりしているのが好きな少年です。博物学者のおばさん、バーバさんと暮らしていますが、バーバさんはしょっちゅう旅にでるので、ひとりで生活をしていることが多いのです。ずんぐりした船にウニが乗っているような「ウニマル」という家に住んでいます。

物語は、郵便配達のドーモさんが小包をこそあどの森に配達するところから始まります。

ある日、バーバさんからスキッパーに「ポアポア」という固くて不思議な木の実が20個も入った小包と手紙が届きます。ところが、雪が溶けて手紙がぬれてしまい、ポアポアの料理方法がわからなくなってしまいました。

そこで、スキッパーはポアポアの料理法を尋ねてこそあどの森の住人たちを訪ねることにしました。

湯わかしの形をした家に住んでいるポットさんとトマトさんの夫婦。

大きな木の上の屋根裏部屋に住んでいる作家のトワイエさん。

ガラスびんの家に住んでいる大工のギーコさんとお姉さんのスミレさん。

湖の中に島にある巻貝のような形をした家に住んでいるふたごの女の子。

結局、だれも料理法がわかりませんでした。

はたして、スキッパーは「ポアポア」を料理することができるのでしょうか?

「こそあどの森の物語」シリーズの始まりです。

内気でどちらかというと人と接するのが面倒だと思っているスキッパーですが、個性豊かなこそあどの森の住人たちとのふれ合いを通して、スキッパーの心の中に変化が訪れます。これからスキッパーがこそあどの森の人たちとどんなふうに関わっていくのかも、このシリーズの大きな楽しみのひとつです。

岡田淳さんの描く家の断面図も素敵で、いつまでも眺めていたくなるほどです。

個性豊かなこそあどの森の人たちの物語をお楽しみ下さい。

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