海のアトリエ

堀川理万子/著 偕成社 定価1540円

素敵な絵本が届きました。

海が見えるアトリエの表紙を見ただけで、これからどんな物語が始まるのかしらと胸が躍ります。

わたしは、おばあちゃんの部屋がすき。なんだかいごこちがいいんだ。

おばあちゃんの部屋に飾ってある女の子の絵。「この子は、あたしよ」そう言って、おばあちゃんはその絵を描いてくれた人のことを話しはじめました。

それは、子どもの頃、海が見えるアトリエで暮らす絵描きさんと過ごした忘れられない夏の日の思い出でした。食事をしたり、本を読んだり、ふしぎな体操をしたり、散歩したり、美術館に行ったり、絵を描いたり…子ども扱いしない絵描きさんと過ごすうちに少女の心は開かれていき、たくさんのことを感じ、気づくことができました。

絵描きさんと過ごしたきらきらした夏の日々がまるで映像のように目に浮かびます。あたたかく豊かな気持ちになります。

「このことをずっとおぼえていたいって、そんな日が、きっとあなたをまってるわ」という言葉のように、子どもたちにそんな素敵な出会いがありますようにと願わずにはいられないし、私たち大人も子どもたちにとって絵描きさんのような存在でありたい、素敵な大人でありたいと思うのです。

なかなか周りとうまくいかず、自分と向き合っている子どもたちに、この絵本の素敵な絵描きさんに出会ってほしいのです。そして、周りに目を向けると、絵描きさんのような大人がいることに気づくかもしれませんよ。

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