4月13日(土)なかがわちひろ さん・高橋和枝さん ギャラリートーク&サイン会

4月13日(土)、気持ちのよい春の陽気の中、『とってもすてきなおうちです』(アリス館)の作者 なかがわちひろさん、高橋和枝さん、装丁家の中嶋香織さん、アリス館編集者の山口郁子さんをお迎えして、ギャラリートーク&サイン会を開催いたしました。

まずは、この絵本の始まりのお話から。

10年ほど前に、編集者の山口郁子さんとなかがわちひろ さんとの間で「人間と生きものが気持ちよく暮らすおうちが素敵!」「人間だけでなく、生きものたちにとっても大切な“ ここがおうち” といえるようなおうち」を絵本の形で表現できないかと話されたそうです。テキストはなかがわさんが書き、絵は他の画家さんに。「絵本は絵描きのものだけど、テキストは骨」とおっしゃるなかがわさん。

その後、「気持ちのよい風が描ける人」を探したところ・・・高橋和枝さんに白羽の矢が!

高橋和枝さんとは、  なかがわさんは6年ほど前に出会っていました。当時連載されていた漫画の『火曜日のくまこさん』(中央公論新社)の読み、穏やかでやわらかい雰囲気の和枝さんですが、芯がビシッとしているんだなと思ったそうです。『うちのねこ』(アリス館)にも注目したそうですよ。

2021年7月に、絵を描くことに決まった和枝さんでしたが、それまで虫に興味を持ったことがほとんどなかったので描けるのか不安だったそうです。なんと、この絵本にはたくさんの虫や生きものが登場するのです。
それから、アリやツバメやクモの観察に励み・・・「アリの巣観察キット」で見たアリたちをかわいい!って思えるようになりました。
その後、なかがわさんから青虫のついたキャベツが全員に送られてきて、それぞれ観察し育てました。さなぎから蝶々に羽化するまでにも様々なエピソードがあったようです。

今回の絵は、和紙に水彩絵の具や墨などで描いているのですが、全体に柔らかい光を感じるのには秘密が!
なんと、紅茶を画材として使われたそうです。和枝さんがアリの土の色やはちみつ色のひなたなど、どう描くか悩んでいたところ、偶然、なかがわさんからイギリスには紅茶で絵を描いている作家さんがいることを教えてくれたそうです。以心伝心ですね。
画家は、いろんな画材や画法を試みながら、より良い作品を描こうとするのですね。

デザイナーの中嶋香織さんも、今回の絵本では初めからチームに加わり、表紙をはじめ絵本として一番良い形で送り出してくれました。印刷の際にも一緒にチェックしたそうです。中嶋さんによる帯のデザインも素敵です。ぜひチェックしてみてくださいね。

最後に、お二人で『とってもすてきなおうちです』を読んでくださいました。

質問のコーナーでも、「絵本を作るにあたって一番大切にしていることは?」など鋭い質問もでて、みなさん真剣に答えてくださいました。

作家、画家、装丁家、編集者、お互いをリスペクトし合う4人のチームワークの良さが作品に表れていることがよくわかりました。

談笑しながらのサイン会

高橋和枝さんとなかがわちひろさん、素敵な笑顔です😀

お二人の洋服にも注目! 絵本に登場する青虫? 菜の花? キャベツ? 会場は春色に染まりました。

絵本のタネが生まれてから10年、たくさんの生きものの観察にも時間をかけて丁寧に創られた作品であることがよくわかりました。人間以外にもいっしょに生きていく命があることを子どもたちとおおらかな気持ちで楽しみたいですね。

なかがわちひろ さん、高橋和枝さん、中嶋香織さん、山口郁子さん、アリス館さん、ありがとうございました。
参加くださった皆さんも、ありがとうございました。

原画展は、4月28日(日)まで。お待ちしています!

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