9月22日(土)の夜、俳人の土肥あき子さんをお迎えして、第41回コガモ句会が行われました。
今回の兼題は、【露】。
梅雨は夜間に気温が下がり、空気中の水蒸気が水滴となって表面に溜まったものですが、すぐに消えてしまうので文学の中では長らくはかなさの象徴として使われてきたそうです。
高点句は、
芋の露こぼれて天地裏返る Aさん
靴紐に露ふくませて近道を Mさん
露を置く野を雲の影流れ去り Sさん
そして、この日の席題は【秋の七草】。
「秋の七草」は、女郎花(おみなえし)、芒(すすき)、桔梗(ききょう・きちこう)、撫子(なでしこ)、藤袴(ふじばかま)、葛(くず)、萩(はぎ)。
「新秋の七草」として、コスモス、おしろい草、秋海棠、曼珠沙華、雁来紅、赤のまま、菊でも良いとのことで、皆さんそれぞれ秋の風景を思い描きながら作句に励みました。
高点句は、
コスモスの小さき群れや津波後 Sさん
石蹴りの昔ありけり萩に風 Aさん
銀の波芒を撫でる風見えて Mさん
女郎花きょうの私はすこし嫌 Yさん
コスモスの波に揺られて道祖神 Yさん
「一葉」と「秋野」
この日も、一つの言葉から様々な秋の風景が見え、豊かな時間を過ごすことができました。
今年の5月に刊行された角川書店の『俳句歳時記 第5版夏』は、わかりやすい解説と名句で定評のある角川の歳時記で10年ぶりの改訂新版です。この中に土肥あき子さんの句が例句として収録されています。探してみてくださいね。たくさんの季語を知ると俳句作りがより豊かに楽しくなりそうです。
土肥あき子さん、参加くださった皆さん、ありがとうございました。