6月22日(土)植垣歩子さんギャラリートーク&サイン会

6月22日(土)の午後、雨が降ったりやんだり梅雨らしい空模様の中、植垣歩子さんと編集者 矢作春奈さんをお迎えしてギャラリートーク〜「すみれおばあちゃんのひみつ」秘密のお茶会〜が行われました。

お年寄りが好きだという植垣さんは、2002年に絵本『6人の老人と暮らす男の子』で第3回ピンポイント絵本コンペ優秀賞を受賞しました。その頃、編集者の矢作さんと出会い、一緒に絵本を作ることになったのですが、当時、公園でハトのスケッチをしていた時に、「針に糸を通してください」とおばあさんから声をかけられたことから絵本『すみれおばあちゃんのひみつ』が誕生しました。二人とも若く時間もたっぷりあったので、実際のレースを買いに行ったり、江戸東京たてもの園に行ったりなど、とにかく一生懸命考え時間をかけて作り上げた思い出深い作品だそうです。ラフを作るのにも3年ほどかけたとのこと、矢作さんがその頃のラフを何冊も見せてくださいました。

また、植垣さんのお父様のご実家が長崎で洋裁店だったそうで、幼い頃、おじいさまに作ってもらったビロードのワンピースを持ってきてくださいました。「うえがきようさいてん」というタグが付いている素敵なワンピースです。

他にも絵本の中に出てくるお針箱やお母様が作られたお人形の洋服など、植垣さんの周りにある手仕事の数々はすみれおばあちゃんの世界そのものです。手仕事の楽しさが伝わってきます。

想像では絵が描けないとおっしゃる植垣さん、全て実際のものを見ながら描いているのだそうです。

植垣さんと矢作さんが楽しみながらじっくりと一つの作品を作り上げられたことを知り、『すみれおばあちゃんのひみつ』が醸し出すあたたかさの秘密がわかったような気がしました。

「子どもの頃、好きだった絵本は?」という質問に、『ぶたぶたくんのおかいもの』『3じのおちゃにきてください』『わたしのワンピース』「マドレーヌ」シリーズなどたくさんの絵本の名前があげられました。子どもの頃、毎日絵本を読む中で、ものに命があることを自然に感じていたという植垣さんの言葉が印象的でした。

一人一人に丁寧に絵入りのサインを描いてくださいました。

この日、サイン会にいらしてくださった台湾からのお客様は、なんと植垣さんの『アリゲール デパートではたらく』(ブロンズ新社)を台湾語で翻訳した若い女性でした。『アリゲール デパートではたらく』は台湾でも人気の作品とのこと、植垣さんも翻訳者の方もとても喜んでらっしゃいました。

植垣歩子/作・絵 ブロンズ新社

デパートの様子がとてもお洒落で、絵探しの楽しみもある絵本です。

台湾語、韓国語、スペイン語で翻訳された『すみれおばあちゃんのひみつ』とお裁縫箱も展示しています。

穏やかな笑顔の植垣歩子さん

今5歳の息子さんの成長を見つめながら、いつか『6人の老人と暮らす男の子』を絵本にしたいと話す植垣さんの作品への真摯な取り組み方に感銘を受けました。

植垣歩子さん、矢作春奈さん、ありがとうございました。

お茶会に参加してくださった皆さん、ありがとうございました。

6月26日(水)、30日(日)、ともに午後1時から3時くらいまで、植垣さん在廊予定です。

ぜひ、お越しください。お待ちしています🦆

 

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