6月1日から始まった「舘野鴻の世界 サイエンス・リアル・ファンタジー」「舘野鴻・もうひとつの世界 『あまがえるのかくれんぼ*ぼうけん』絵本原画展」という「舘野祭り」、たくさんの方にご覧いただきましたが、いよいよ7月3日が最終日でした。
最終日のトークイベントは、舘野鴻さんとかわしまはるこさん をお迎えしてお話をお聞きする予定でしたが、舘野さんが急遽参加できなくなり、かわしまはるこさん と世界文化社の編集者渡邉侑子さんのお二人から「あまがえる」シリーズの舞台裏のお話や、舘野鴻さんのもうひとつの世界についてお聞きしました。
『しでむし』『ぎふちょう』『つちはんみょう』『がろあむし』(偕成社)では、ご自身が長い年月をかけて取材、観察、検証をし、ありのままの生き物や自然の姿を描いた作品でまさしく「舘野鴻の世界」です。
それに対して、『あまがえるのかくれんぼ』と『あまがえるのぼうけん』(世界文化社)では文章だけを手がけ、絵はかわしまはるこさん が描かれています。それに加え、登場するあまがえるたちが言葉を発し会話をするなど、それまでの作品と趣が異なります。舘野さんにとって「もうひとつの世界」といえます。
『あまがえるのかくれんぼ』ははじめ月刊絵本として刊行されました。月刊絵本は読者層の年齢も限定されるため、ページ数や内容に関してもいろんな制約があり、作家さん、編集者さんの間で意見をたたかわせることが多かったそうです。擬人化についても迷いの連続だったそうです。
こうしてできた月刊絵本でしたが、大変評判が良く翌年には単行本化されたうえ、この話の続編の『あまがえるのぼうけん』を作ることにもなりました。今度は、最初から単行本なので読者層も広がったこともあり、野生に生きる生き物の残酷なシーンも描かれています。
また、擬人化されたお話だからこそ、リアルがそのベースになければならないとのことで、描かれる一つ一つのことを観察し検証を続けたそうです。舘野さん、かわしまさんの絵本創作に対する真摯な姿勢を感じるお話でした。
あまがえるの名前を決めるのにもたくさんの候補があり、「ヨズ」という名前も! そんな舞台裏のお話も面白かったです。
そして、驚いたのが、この「あまがえる」の初期の原案に「かえるのヨズ」というお話があったことです。『ソロ沼のものがたり』につながる種がすでにまかれていたのですね。
「舘野祭り」最終日にそんなお話を伺うことができたのも嬉しいことでした。残念ながら舘野さんは不在でしたが、お二人から舘野さんの言葉や考えを伺うことができ、かえって舘野さんをしっかり感じたトークイベントでした。さすが一番弟子のかわしまさん、師匠の世界をしっかり私たちに伝えてくださいました。
かわしまはるこさん と編集者の渡邉侑子さんは息もぴったり! 楽しいお話をありがとうございました。
ますます舘野さんに会いたいと思われた方も多かったのではないでしょうか😁
編集の渡邉侑子さんとかわしまはるこさん
トークの後はサイン会。
なんとサイン会に、『うんこ虫を追え』(福音館書店)に登場するコンドーさんこと近藤佳幸さんがいらしてくださいました。舘野さんと一緒にオオセンチコガネの実験をなさった「コンドーさん」です。もう一人の主役です。
皆さんから驚きと喜びの声が! 急遽コンドーさんのミニサイン会が始まりました。
『うんこ虫を追え』のコンドーさん登場のページにサインをかいていただきました。思わず、私も!
笑顔が優しい かわしまはるこさん
かわしまはるこさん、世界文化社の編集 渡邉侑子さん、素敵なお話をありがとうございました。
たくさんの資料を用意してくださった舘野鴻さん、ありがとうございました。
そして、暑い中を参加くださった皆さん、ありがとうございました。
来年、刊行予定の『あまがえるのたんじょう』もどうぞお楽しみに🐸
当店での「舘野祭り」は大盛況の中に終了いたしましたが、まだまだ続くようですよ😁
現在、ブックハウスカフェさんで「たてのひろしフェア」を開催しています。そちらも是非!
舘野鴻さん、かわしまはるこさん、福音館書店さん、岩波書店さん、偕成社さん、世界文化社さん、ありがとうございました。
「舘野祭り」にお越しくださった皆さん、ありがとうございました🦆