11月26日(土)の午後、どいかやさんをお迎えしてギャラリートークを開催いたしました。
朝のうち、雨が降っていたので心配しましたが、どいさんを迎える頃には、空も少し明るくなりホッといたしました。
『チリとチリリ よるのおはなし』(アリス館)原画展ということもあり、今回はチリとチリリのお話をしてくださいました。
当時、「夫と車で広島から島根の出雲大社に向かう途中、山深いところを走っていると、自然豊かなところには神様がいるのではないか、人間が知らない世界があるのではないかとと思い、そういう世界を描きたいと思った」と話すどいかやさん。
人間の姿をした何か(妖精のような?)が乗り物(自転車)に乗ってでかけていく・・・
名前は、かやさんは主人公の名前を考えるのが好きで、ふだんから気に入った名前を自分の中でためていたそうです。当時、若いタレントさんの名前でかわいいなって思った名前が「チリ」、それに自転車のチリリンという音から「チリリ」、「チリとチリリ」が誕生しました。
こうして「チリとチリリ」のお話がだんだんできていきました。
でも、絵に関しては、色鉛筆で描いていったのですが、今の仕上がりになるまでには随分悩んだそうです。その頃、ブラティスラヴァ世界絵本原画展で展示されていたスロバキアのブルノスキーの絵を見て、今の絵になったと話されました。展覧会でいろんな絵を見ること、生のタッチを見ることで学んでいたとも。
扉の前に導入のページをもってきて、映画のような作りにしたり、絵本にしては少し小さい書体にこだわったり、自分の思いを通してもらったと話されました。
「うみのおはなし」「まちのおはなし」など他の作品のお話も。「普段の生活の中で感じた大切なもの、憧れも描いています。」と話すどいかやさん。
「大冒険のようで自転車で行って帰って来られる世界のことを描いています。地元の面白さを気づける二人組なのです。」
子どもの頃は、絵本より祖母のおはなしを聞いて育ったかやさん。大切な人同士のコミュニケーションのひとつになったらいいなと思って絵本を描いているそうです。そして、私たちの知らない世界があるんだよという想像力をもってもらいたいと話されました。
画材の色鉛筆も見せていただきました。私たちがふだん使っている色鉛筆からこんな素敵な世界が描かれていることに驚きました。
トークの後はサイン会。時間をかなりオーバーしてしまいましたが、皆さんにサインをしていただきました。
長年のファンの方も多く、皆さんとっても嬉しそうでした。
夏休みの自由作品で『チリとチリリ うみのおはなし』に出てくるお菓子作りにチャレンジした小学校3年生のRちゃん、ご本人に作品を見てもらえて喜んでいました。
当店では、18年前の2004年、前の店の時に『チリとチリリ』(2003年刊)の原画展をさせていただき、サイン会でお越しいただきました。そして、2014年、「どうぶつたちといっしょに」というテーマで『チリとチリリ ちかのおはなし』『チップとチョコ』『ナナカラやまものがたり』などの原画を展示し、ギャラリートークもしていただきました。実は、私も2004年の原画展の時は客として原画を拝見していました。「チリとチリリ」シリーズと深いご縁があったことに改めて気づき、感慨深いものがありました。トークイベントの日のお客様の中にも2004年の原画展を見ましたという方がいらっしゃり、驚くとともに感動いたしました。子どもだけでなく大人も惹かれる魅力が「チリとチリリ」の世界にはあるのです。
笑顔がすてきなどいかやさん
どいかやさん、ありがとうございました。
ご参加くださった皆さん、ありがとうございました。
原画展は12月4日(日)まで。
皆様のお越しをお待ちしています。