『くろいの』原画展最終日の2月27日(日)、作者の田中清代さんをお迎えして、ギャラリートークが行われました。換気のため中庭を開放して開催したのですが、いつもより暖かい陽気だったのがありがたかったです。開催できたことに感謝いたします。
まずは、『くろいの』が韓国で受賞した第4回ナミコンクール・パープルアイランド賞の授賞式(2019年)で出会ったウクライナのご夫妻のお話から始まりました。
そして、アイデアのもとのお話をしていただきました。
美大を受験するために通っていた美術研究所の先生に「自分のテーマを見つけるなら、写真を撮るといい」とすすめられて、外を散歩しては通りすがりに気になるものを写真に撮っていました。すると自分の好きなものがわかってきて、それをスケッチしていたそうで、その頃描いた絵も見せていただきました。植物を描くのも好きだったそうで、『くろいの』にも庭の植物がたくさん描かれていますね。
いつもだれかが自分と一緒にいるような気がする。ひみつの友だちがいる。… 既に「くろいの」のタネが!
小さな文庫本サイズのノートを常に持ち歩き、ストーリーを考えるのに使っているとのことで実際に見せていただきました。
『くろいの』を作るために描いたラフスケッチやダミー。積み上げたらこんなに高い山になるのですね。
2000年頃に「くろいの」の元になるようなスケッチを見た編集者さんに「こういうのもいいですね」と言われ、始まった『くろいの』への長い道のり、2018年に絵本となりました。
次に、私たちがあまり知らない銅版画のことも、制作風景の画像を見せていただきながらお話しくださいました。
銅版画の道具の紹介
そして、最後にウクレレ演奏とともにご自身の作詞作曲の「おしいれの歌」を歌ってくださいました。『くろいの』にぴったりの歌です♪
たくさんの質問にも丁寧に答えていただき、ギャラリートークが終了しました。あっという間の1時間半でした。
サイン会にも、たくさんの方が!
見返しのページいっぱいの「トマトさん」! サインに魅せられ、思わず購入する方もいらっしゃいました。
笑顔が素敵な田中清代さん
『くろいの』が20年近い年月をかけて絵本として出版されたことをお聞きし、大変驚きました。「描き直すたびに新しい発見があるので楽しんでいました。」という田中清代さんの言葉がとても印象的でした。だからこそ、私たち読者も読むたびに新しい発見があり、楽しむことができるのですね。
*田中清代さんのインスタグラム(https://www.instagram.com/kiyotanaka_pbart/)
では、『くろいの 』メイキングなどが連投形式で投稿されています。ギャラリートークに参加できなかった方はぜひご覧ください。興味深いですよ😀
田中清代さん、偕成社さん、編集者の広松健児さん、参加してくださった皆さん、ありがとうございました🦆