6月18日(日)の午後、『あまがえるのたんじょう』の著者、たてのひろしさん とかわしまはるこさん をお迎えしてギャラリートークが開催されました。中庭を開放して暑い中にも時折心地よい風を感じる昼下がりの午後、たくさんの方がお集まりくださいました。
まず、絵本を作るにあたってはあまがえるの住む環境を調べるところから始めたそうです。
「たてのさんから田んぼの泥を掬えという指示があり、顕微鏡で見てみたら、いろんなものが蠢いていたんですよ!」とかわしまさん。そんな生きものの中から登場人物(?)をセレクトしていったそうです。
あまがえるの生態をつぶさに調べ、事実をベースに物語を作っていく。たてのさんとかわしまさんの絵本に対する真摯な姿勢に改めて感じ入りました。
世界文化社の編集者さんとの出会いから始まった「3びきのあまがえる」の絵本。最初は月刊絵本として登場しました。あまがえるのこどもの成長物語です。
『あまがえるのかくれんぼ』では、成長するにつれ、自分の身を守るために周りの色に合わせて自分の体の色が変わることに気づいたこどもたち。自分たちの成長の「喜び」を確かめ合います。
『あまがえるのぼうけん』では、森の中に探検に出たあまがえるのこどもたちが生きるための「食う」「食われる」、武器は「逃げること」「隠れること」であることを学んでいきます。野生の生きものはこうして生きていて、これらは全て人間に重ねられると舘野さんは語ります。
そして、『あまがえるのたんじょう』では、3匹のあまがえるがいることは奇跡的なことであることを伝えます。
シリーズの絵を描かれたかわしまはるこさん は、今回水中のシーンが多く、苦労をしたそうです。19回もラフを描き直したとのこと。校了直前まで、あまがえるの夜の目(瞳孔が開いている)にこだわって描き直したというお話をドキドキしながら聞きました。
また、おたまじゃくしばかり描いていたら、かえるが描けなくなってしまったというお話も切なかったです。『あまがえるのたんじょう』と同じく、奇跡のような絵本の誕生だったのですね。
絵本は文学であり、美術であり、科学であり、哲学であり、博物学的な意識を持たなくてはならない。たてのさんが常々おっしゃっているお言葉そのままの絵本だとつくづく思いました。
最後にかわしまさんが『あまがえるのたんじょう』の読み聞かせをしてくださいました。
「3びきのあまがえる」シリーズのファンの方から、たてのさん、かわしまさん、編集の渡邉さんに花束のプレゼントがありました。
トークの後のサイン会も、大賑わいでした。
“絵本のつなぎて”ふわはね さん、かわしまはるこさん、種村、たてのひろしさん、ニジノ絵本屋いしいあや さんと記念撮影
たてのひろしさん、かわしまはるこさん、世界文化社さん、ありがとうございました。
お越し下さった皆さん、ありがとうございました。